2021/04/23

Vanzandt STV-R3 Cherry Sunburst #8830 - 還暦祝いに真っ赤なやつ









 











Vanzandt STV-R3 Cherry Sunburst #8830

「本物の特別感を貴方に」

国内屈指の楽器製作工房PGMにおいて、驚異的とさえ言える極薄ラッカー塗装で仕上げられたVanzandtギター&ベースたち。
鳴りの良さ、サウンドの太さ、粘りのあるコシ、独特のヴィンテージライクなルックスは他の国産ブランドとは一線を画す最高の、そして最上の造りです。

厳選した極上フレイムメイプル材で仕上げたプレミアムネックを使用し、さらに昨今非常に手に入りにくくなった1ピースボディを贅沢に使用しました。

 「ルックスxプレイヤビリティxサウンド」

最上級フレイムメイプル材を惜しみなく使用したカスタムネックは最高の「ルックス」を持っています。
22フレット仕様というモダンストラト共通の仕様は音域的な「プレイヤビリティ」を向上させ、さらに、最近ではかなり手に入りにくくなった1ピースボディ材をご用意。
Vanzandtの売りの1つである”鳴り”を強化することで「サウンド」を特別なものに。
こちらの個体はアッシュボディに、メイプルのプレミアムネック、マダガスカルローズウッド指板を合わせたR3タイプ。
プレミアムモデルだけに指板のマダガスカルローズも黒々とした良質なものが採用されています。
ボディカラーは当店指定のチェリーサンバースト。迫力のある1ピースアッシュの杢目と華やかな明るいバーストカラーで元気いっぱいのストラト。
フレイムメイプルネックのワイドなトラ杢で飽きのこない満足感の高い逸品です。
ピックアップはTrue Vintageをセレクト。
上品且つ艶のあるサウンドを奏で、あらゆる音楽に対応出来る1本となっています。
プレイヤビリティ、サウンド、贅沢なルックス、のすべてを備えたこちらのモデル。
是非ともお試しいただきたい1本です。

◇ Specs. ◇
Body : 1-Piece Ash
Neck : Flame Maple
Fingerboard : Madagascar Rosewood
Radius : 210R
Frets : 22 Frets
Scale Length : 25.5 inch / 648 mm
Neck Pickup : True Vintage
Middle Pickup : True Vintage
Bridge Pickup : True Vintage
Controls : Master Volume / Neck PU Tone / Middle PU Tone / 5-Way PU Selector SW
Hardwere : Nickel
Weight :3.245kg
Serial Number :8830

Vanzandt ( ヴァンザント ) STV-R3 Flame Neck LTD SPECIAL / Cherry Sunburst / Madagascar Rosewood FingerBoard #8830 | ワタナベ楽器店 大阪店 (watanabe-mi.com)

 

2021/04/08

ハイエンドミュージック Infinite Trad ST Custom 20210407 - 初オーダー!テリーサウンドのミディアムスケール・ディンキーストラト

 大阪の工房ハイエンドギターの『Infinite Trad ST』に小規模な改変を加えてオーダーした
 バックオーダーをかなり抱えているようで半年以上の納期がかかってやっと届いた
 Infinite Trad の 各種工作について共感するところが多かったので日頃STタイプで不満に思っているところに手を加えてオーダーすることにした

以下メーカーの効能書きと仕様
Trad ST
トラディショナルなトーンを
モダンな操作性で
ギターを作ることにおいて必ず通る道がストラトタイプだと思います。実に多くのメーカー、コンポーネントが存在し、個性豊かなルックス、トーンのストラトタイプがあります。Infiniteはその中でもサウンドにおいてはオールド・トラディショナルトーンを意識し操作性においてはモダンなギターをテーマに開発しました。すべてのモデルに言えることですが、指板とネックの独自接着方法によりネック強度を向上させたことによる楽器の鳴りがビンテージ特有の鳴りに近いことに気が付きました。現在の木材供給の状況で当時ほど優秀な木材を手に入れることは困難ですがInfiniteは木工部分でカバーできないか、という観点から小菊ロジックや指板とネックの独自接着方法を開発しボディの鳴りを最大限に発揮できるよう設計しました。エルボーコンター、バックコンターは体にしっかりフィットするよう独自設計しハイポジションへのアクセスもジョイント加工によりとてもスムースです。ボディの質量を落としたことで失われるトーンを補うために小菊ロジック、独自の指板とネックの接着にて解決しました。
SPEC
ボディシェイプ Trad ST
ボディウッド スワンプアッシュ1P
ネックウッド メイプル(柾目)
指板R メイプル(柾目) 10-14R
スケール    628mm    ネックシェイプ FAT C
フレット jescar 47095-S ステンレス
ナット ボーンナット
ポジションマーク クレイドット
ピックアップ Bare Knuckle Bootcamp True Grit
Option bftsインストール、ギグバック付き

 オーダー前のこのシリーズで一番気に入ったところは、ミディアムスケール、ディンキーサイズであること  
 ミディアムスケールのSTは国産各社特にFujigenが力を入れている。ただ、入門用、子供用という趣が強くオトナが持つにはいまいち不満がのこる仕様なので同じサイズ感で気軽に仕様改変に応じてくれるハイエンドギターにオーダーすることにした

 ぼくがSTタイプに感じる不満は以下のような点である
  1. STに限らないがロングスケールは弾きにくい 
  2. 嵩高く取り回しが悪い
  3. スイッチの構成、配置が悪い
  4. トレモロユニットが不要
  5. 音的にはテレキャスターのキャラと比べると凡庸である
 1.に関してはギブソンに近いミディアムスケール。ムスタングほどは短くない
 2.ボディも若干スリム化されているので取り回しも良い
 3.は、構成は2マイクにしたので自ずと解消したが、ポット位置が近すぎるので可能な限り遠ざけた。スイッチの位置もDuo-Sonic風にしてしまいたかったが、あまりにもイメージが変わるのでそのままにしてノブをオールドテレの小ぶりなものに変更
 4.は、ハードテイル化した
 5.は、テレキャスターのマイク構成をそのまま移植した
 小型化の弱点を補強するために以下の変更をした。
1.ボディ材をアッシュの1Pにした
2.ネックもローストものやトラ杢もあったが、標準ではスリムグリップなものが搭載されているので、FatC一番太い仕様に変更。
3.コンター加工を廃した。
 標準の小型サイズの胴と棹、ネックジョイント部の削り込みでは、ムスタング、デュオソニック風の生鳴りばかりが大きくなり音の輪郭が薄くなってしまうことが想定されるからね。トレモロを廃しネックを一番太くしたのは質量確保という意味合いもある。要は初期のテレキャスターに近い要素を加えたわけだ。ほんとは重いボディ材を使ってくれと加えたかったが取り回しが悪くなるのでやめた

 とまぁ、オーダーの意図はそんなところだ。あとは趣味の色構成とゴールドパーツをおごった

 上記仕様により、F社のどれとも似ていない一種独特の印象を与えはするが、ギター弾き以外には違和感のないものに仕上がったと思う








 表の木目はさりげなく

 ウラは、アッシュ独特の力強い表現の良い木の取り方をしてくれてると思う。メトメには非常に手間はかかるがこの風合いがアッシュの魅力のひとつだ

 ペグはロック式にした

 ストリングスエンドにはブラスのストッパーがついている。こいつは効く

 スペックは以下の通り

 重さの確保は、なんとか軽めのストラトに近づけたという感じか・・・

 普通のストラトタイプ(Vanzandt)と並べるとこんな感じだ

 オリジナルはずんどうでファットな男性的印象を強く与えるが、Infinite は幾分繊細で女性的な印象を持つがみなさんはどうだろうか?

 3マイクという手もなくはなかったのだが、テレのミックスの音が出せないので2マイクにした。テレの音の再現が目的のひとつだったからね。まんなかあたりのデザイン的は少し間の抜けた感じが残ってしまった

 子供の頃からの不満点。Volポットの位置だ。買ってもらったGreco のブラッキーも1Vol、1Toneに改変して下の絵のVol位置をあけていた。今手持ちのストラトも全部そうしたいのだが、あれこれ忙しくて手が回りきっていない

 ノブを出来るだけ遠い位置に移動した。ノブはゴールドパーツにしたが、STタイプのノブに変えるかもしれない
 スイッチも邪魔なのだがデュオソニック風にするとボディの彫り込みが増えて質量が減るのとデザイン的にSTから遠ざかりすぎるのでそのままとした


 Infinite のホーン部はSTよりも若干細めで、見慣れるまでは違和感がある


 ジョイント部は、ウラに特徴がある
 ハイポジションへのアクセスが楽なようにInfiniteは大きく削られている


 この機能に関しては、使うとわかるが少し懐疑的だ。独自の接合方法で補っているという主張だが、この肝心な部分で質量を失っていることは音色にかなり影響を与えている。音の伸びに関しては木質の個体差によるものが大きく少々の工夫では解消できないように思う



 エレキでボディの柾目はまずないのではないかと思う。アコギやクラシック系のアーチトップは柾目だけどね。エレキは板目の方が強度的にも鳴り方的にも良いと思う

 弦の留め具。これね

 普通はこんなの(ストリングブッシュ)で受け止める
 
 この楽器はこんなに分厚いので受け止めるのだよ。エレキのソロパートは当然単弦で弾かれることが多いのだけど、これだけ広い範囲でボディに伝えることとができるのだ

 ネックの接合にもいろんな工夫が詰まってる。木ネジで締め込んでるだけではない。金具で受けている。エボニーの3本の木片ダボで繋ぎ止める。接触面積も増える算段だね

 ジョイント部も深くまで延ばしている

 指板の貼り付けに関しても同様だ。凸凹の彫り込みがされていてガッチリかみ合い接着面積も広くなる。標準では木目もネック部は弦振動うまく受け止めるように板目にして、指板を柾目にしている。スペック表にさりげなく書かれていて、ギター弾きでも見落としそうだが、見える者がみると制作者の意図は鳴りと強度の両立。明白だ。こういうアイデアは痛快だ。
 ぼくのオーダーは標準を外して外れてネックは柾目、指板はおまかせとした。スケールが短いからね。少し鳴りを抑える方向へ振ったわけだ


 このあたりの詳細はこちらを見ておくれ


 フレットの末端処理も素晴らしい。フレットの角丸は言うに及ばず、ネックのR加工とフレットのつながり。フレットのくさびの部を露出させない処理。普通の指板加工では出来ない処理だ。普通ならくさび部は露出するので削り取るだけか、くさびの端を切り取ってパテ埋めするくらいだが、これは溝自体を端まで切っていない。普通の鋸の作業では出来ない処理だ


 オーダー通りしっかりとした柾目で取ってくれている

 指板はお任せしたが、これも柾目で取ってくれている。ヘッドだけボディと同型のツヤあり、ネックはツヤなし


 Infinite にはストリングスガイドがない。上のペグに行くに従い高さが低くなってるので必要ないという判断だろう

 Infinite の方がヘッドの木部の質量がかなり少ない



 コンター加工はない。板厚は薄いように感じたが45mmあった

 厚さはテレスタイルだけど抱き心地はやはりストラトに近い

 このジャック部分はもともとの仕様だ

 ネックシェイプは標準で太めのVanzandtなのだが、この個体は薄め。それよりもかなり厚い

 仕上げは導管を完全には止めていない


 おなじInfinite Trad の兄弟と記念撮影

 上記、様々な工夫の込められた楽器はテレタイプを先に手に入れていた。電装系以外の創意工夫とサイズにおおいに賛同したのだが、さすがにここまで質量を落としてしまうと難ありと思ったのだよ。テレキャスターというよりデュオソニックに近い音だ。弦の振動に負けて胴と棹が振り回される感じがあって、生鳴りと振動は感じやすいのだけど、肝心のアンプからの出音が弱い。要するにチープなんだよ。持った感じも出音も。Tradの元のタイプはそう言う弱点がある。今回のオーダーはその点を少しでも改善しようという試みなんだよね

 Infinite の標準ではネックもこの薄さだ。これでは絶対リッチな音が出ない。今回オーダーのものはフルサイズの標準より太い一番太い仕様なんだ

 相談しながらオーダースペックを決めた京都河原町の島村楽器のギター担当君と、出来上がったものをチェックをしたが、想定通りの出来上がりで、お互い納得というところだ。担当君は、「ストラトからテレの音が出ってめちゃ新鮮な印象」との感想だ。取り回しは想定以上に良い。標準仕様のままでは男子が使うにはちょっと軽すぎるので、ちょうど良い感じだ
 出音に関しては、確かにテレに近いのだが、やはりボディの大きさは音に大きく影響している。デュオソニック、ムスタング風の音の拡散と暴れる感じが加味されている。これはおそらくもっと重いボディ材で作らないと解消しないだろうと思う。最近の本家を含め各社のテレタイプでさえ軽量な材を使うので、古い重いテレキャスターのような音の芯や輪郭を感じさせるものは少ない。とても残念なことだと思う。ネックは50年代のテレキャスターのUシェイプより若干細い位なので、早弾きするひとには向かないかもしれない

 狙い通りの楽器が出来た。あとは、弾きこんで鳴りだすのを待つ

 ひょっとしたら、ブリッジをテレ用のトップローディングも出来るタイプに交換するかもしれない。


 マイクもネック側とブリッジ側の出力差が大きすぎるので
ブリッジ側は少し下げて、ネック側は天辺まであげてる。ちょっと近すぎかなぁという感じ
 いずれ、交換するかもしれない