2021/01/19

Rozeo Ladybug SM-TBC DHB Cherry #20346

  ぼくは、楽器に対する姿勢は、全くニュートラルでブランド、製造年その他には全くこだわりがない。FBのブランドサイトなどはそう言う拘りのひとばかりで、顔を出してもとても居心地が悪い。これはカメラやそう言う類のサイトでも同じだ。ぼくが関心があるのは、どういう構造と材であれば、どんな音がするのかが知りたい。一種の研究素材というわけだ
 製造年が古いと音が育ってしまい、その違いがわかりにくくなるので、出来るだけ新品で買うようにしている

 今回は、老舗寺田楽器のRozeoの2本・・・正直悩んだ

 とことん取り回しのがよくて丈夫なフルアコは常に探しているので、そのセンサーに引っかかった。前から気にはなってたのだが、どこにでも置いているわけではないので手にする機会ががなかった。手に取ったのは梅田の三木楽器。こないだのアメリカ村の Silversky の様に一目惚れではないので、付き合う前から惚れたという感じではない。この寺田は、付き合ってみて良さがわかるタイプの楽器だろうと思ってはいた。
 オトコにとって楽器の好みは、オンナの好みと似ている。見境無くあちこち手を出すオトコも居れば、惚れた1本に人生を捧げるようなオトコも居る。まぁ、価値観はいろいろだ・・・と言うと墓穴を掘っているようなものだけど・・・ぼくは、惚れやすい。次々好きになる・・・1本に絞りきれない。それもレスポール命とかストラト命とかいうことではない。元はと言えばフルアコばかりでソリッドは持ってなかった。けど、今のココではソリッドの話題が中心になっている。昔は『デブ専』といわれたが、今はそうでもない。歳も還暦を過ぎる(実は、もっと前から・・・)と、恰幅が良かろうが、貧相であろうが、ツルツルであろうが、シワシワであろうが、青かろうが、熟しすぎであろうが、それぞれ、それはそれなりに愛おしく見えてくるので不思議だ。・・・ほんと、困ったことだ。
 だから、深入りはしない。眺めるだけ、試奏するだけ、お話しするだけ、お茶するだけ、これが見境無く惚れてしまうオトコの生き残りの術なのだろうと思う・・・けど、つい手が出てしまう・・・

 なんか違う方に話がいった。話を元に戻す

 普通、小型のフルアコといえば、Ibanez の GB-10 が思い浮かぶと思う。良いギターだ。ぼくは2本所有したことがある。
 

GB-10は、生鳴りはない。アンプので音は、まさしくフルアコで、GBの音。ほんと良い楽器なのだが、頑丈に作りすぎて重量は軽いソリッド並みというところ。なによりGBモデルなので人前で弾くのは腰が引ける・・・実はこれが一番困った点だ。と言うことで2本とも手放した。1本は売り払い、1本はあるギター弾きに無期限で預けてある

 EastmanのAR805も実は2本あって1本は手元にあるが、もう1本は辞めた従業員が持って行ったまま・・・回収しなければならないのだが面倒なので放置してる

帰ってきてないやつ

手元にあるやつ

 これもディメンションが16inc×3.25と多少デカく、アコギとほぼ同じなので持ち歩きにくい
 他に小型のフルアコとしてEastmanのT145が手元にあるのだが、これもディメンションは16*1.75と面が多少でかい。
T145

 音はチープ感があってとても気に入ってるが、取り回しが悪いのでAR145Fを導入。
 
AR145F
 AR145は、面はちっこいのだが、胴が深くて音がとてもリッチだ。これもメチャ気に入ってるのだが、とても綺麗な仕上げ、Eastman得意の極薄ラッカー鏡面仕上げなので、すぐ傷だらけになる。なので、普段に持ち歩く気がしない。家でポロポロ弾くのに適している
 まぁ、気に入ってはゐるが帯に短しと言うやつだ・・・


 そこで別の1本を探していた。普段持ち歩いてもキズとか気にならない丈夫さがあって、軽くて取り回しが良くて、音もそこそこ鳴るという感じのもの。そんなのを探していた
 そこで出会ったのが寺田のこれだ。本邦でアーチトップの経験が一番豊かなのは寺田だろうと思う。箱物専門ショップメイドのArchtop Tribute なども寺田製ということなので、今、アーチトップに関しては一番当てにされているのだろうと思う。手に取ってみて細工に関しては、Eastmanや他の国産メーカー、Ibanezなどの海外製造品ほど見るものはないけれど、質実剛健の地味だけどしっかりした作りだと思う
 どうということはないけれど、実用面ではしっかりしたものという印象だ

 Rozeo Ladybug SM-C Vintage Sunburst
 Rozeo Ladybug SM-TBC DHB Cherry

2本弾き比べて、Rozeo Ladybug SM-TBC DHB Cherryを入手

 違いは、ボディの厚さが 70mm V.S. 35.179mm と倍違う。両方ともEastmanより若干薄い 82.55mmV.S.44.45mm。あと、ピックアップ(P90×1 V.S. H×2)。他に違いは感じられなかった
 抱き心地は、ここまで小さいとあまり変わらないという印象。深い方がピッタリのフィット感があるかもといいう感じ。ネックは全く同じ
 肝心の音は、生音はさすがにボディの厚い方が鳴る。でも、アンプを通すとそこまで違いは無い。基材の構造による影響は、マイクを通すと深い方が丸くふくよかではあるが、浅い方も、とやかく言うほど遜色はない。アンプからの音は、別々にブラインドで比較するとわからないと思う。さすがに続けて聞くとわかるとは思うけどね。もちろん、2マイクの方が音色の幅は広い。1マイクの方は、明らかにブルースやジャズ狙いだ。弾き語りにも良いと思う
 ぼくは、フルアコにはソリッド、セミアコにない広がりのあるふくよかな音か、乾いたチープな音を期待するが・・・正直そのどちらでも良い・・・
 この楽器は、優等生的な感じの先の音に寄っている。まぁ、特にどうと言うことはないが、とても良い感じだ
 より倍音が感じられコクのある音は、EastmanのAR145があり、ぼくの演るのがブルース系なので、もっと倍音と言うより雑味の多いチープ感がある方が良いのと、手軽さから薄い方にした。持ち出すには、こちらの方が手軽だし、 ER-336、339、390系列は、全てチェリーレッドのブルース仕様にしているので、それらと持ち替えても違和感がない。と言うようなことでこいつにしたわけだ。ちなみに、よく似た構成のES-390よりは良く鳴る

 なんでも、ロン・ウッドモデルだそうだけど、ぼくにはあんまり関係ない
 そんな感じ。この手軽さは気に入った
 
 パーツがゴールドなのにピックガードのデザインのお粗末さが目を引く。それにぼくは、ピックガードをピックガードというより小指のフィンガーレストとして使うので、ブリッジマイク前で切られると寸足らずで手のひらミュートして弾くことが出来ない。これは要交換だな。木製で作ることにする
 トップはスプルースの合板 5枚重ね。フルアコとしては順当なところ
 このようなブランコテイルピースのものと、レスポールのようなストップテイルピースのものがあったが、ストップテイルピースは弾き比べていない。テンション感の違いから、ぼくは、迷わずブランコテイルピースのものを選ぶ。フルアコに音の伸びは期待していない。早く減衰してくれる方が好みでもある。ソリッドは違うよ。伸びも一応気にする。

  横と裏はメイプルの5枚重ね。これも常識的

 指板はローズウッド。取り立てて高級材というわけではない

マホの1P。取扱注意だ

 ヘッドはデカめ。ブルースはベンドを多用するので、このタイプの弦がナットで折れるヘッドはチューニングが狂いやすい。PRSのような先に向けてテーパーがかかってナットを出来るだけ直線で通過するデザインの方がベンドしてもチューニングが狂いにくい
 ぼくならPRS式のペグ配置のためのデザインを考える

PRS
 ジャズはベンドしないので関係ないけどね
 弦は、ジャズ用のラウンド弦ではなく普通のエレキ用の3弦プレーンが張られている。制作者の意図はブルース用で使ってくれと言うことなのだと思う


 売れない誰もが忘れ去ってしまうギブソンモデルという感じだ。このディメンションのデザインは本当に難しいと思う


 13.85inc=35.179mm

 アーチトップではあるが、プレス成形なので、然程弧を描いているわけではない

 ネックはちょうど良い感じの太さだ。ここはほんと一番肝心な点。弦の振動もよく拾らう

 シリアルからさほど売れているわけではなさそうだ

Body Top : Laminate Spruce

Body Side & Back : Laminate Maple 

Body width :35.179mm

Body depth :44mm

Neck : Mahogany

Fingerboard : Rosewood

Nut width : 43.2mm

Scale : 636mm(25inch)

Pick up:Original Humbucker

Weight : 2.32kg

Case:Original Gig Case


Ibanez ARTSTAR SS401F -VLS
 そうそうこいつも居った。忘れたら焼きもち焼かれそうなのであげておく。こいつも良い楽器だがEastmanがおると影が薄くなってしまう